FERNANDES(フェルナンデス)は1969年創業、日本を代表するギターブランドのひとつです。
Fender系の「FERNANDES」、Gibson系の「Burny」、ミニアンプ内蔵ギター「ZO-3」など、
多彩な製品ラインナップで国内外のギタリストに愛されてきました。
とくに90年代には、X JAPANのhideモデルや布袋寅泰モデルが爆発的人気を博し、
「ギター少年の憧れ」とも言える存在でした。
なぜ破産に?FERNANDES破産の経緯
経営悪化の兆候(2022年)
- 2022年1月期:売上約1.66億円
- 最終赤字2,414万円に
かつて年間40億円以上の売上があったFERNANDESでしたが、2020年代に入り売上が急減。赤字経営が続き、資金繰りが限界を迎えていました。
関係会社も破綻(2023年)
- 2023年4月、「大阪フェルナンデス」が大阪地裁に自己破産申請
- 修理・サポート網にも影響が広がる
本体が自己破産(2024年)
- 2024年7月9日:東京地裁に自己破産を申請
- 2024年7月11日:全事業を停止
- 負債総額:約4億3,400万円
FERNANDESが衰退した理由4選
① 楽器人口の減少
若者のギター離れ、DTMや配信機材へのシフトにより、ギター市場全体が縮小傾向に。
② 中古市場の急成長
メルカリやヤフオクなどでの中古品流通が進み、新品の販売台数が減少。
③ 自社工場を持たない体制
OEM(外注製造)主体のビジネスモデルで、製品の差別化やコスト管理が困難に。
④ コロナ禍の影響
ライブ・イベント中止で機材需要が落ち込み、販売が一段と悪化。
FERNANDES製品は今どうなっている?
FERNANDESのギター自体は、現在も中古市場で流通中です。
特に以下の人気モデルは、今後プレミア化する可能性が高いと言われています。
- hideモデル(MGシリーズ)
- Sustainer搭載モデル(サステインが無限に続く独自技術)
- ZO-3シリーズ(アンプ内蔵ミニギター)
ブランド再生の可能性は?
現時点で「FERNANDES」というブランド自体は破産していますが、今後、
- 他企業がブランドを買収
- 海外で再展開
- ライセンス復活による復刻
などの可能性もゼロではありません。ファンとしては、どこかの企業がブランド再建に乗り出してくれることを願いたいところです。
まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
ブランド | FERNANDES(1969年創業) |
破産申請日 | 2024年7月9日(東京地裁) |
事業停止日 | 2024年7月11日 |
負債総額 | 約4.34億円 |
主な原因 | 楽器離れ・中古流通・外注依存・コロナ禍 |
現状 | ギターは中古市場に多数流通中 |
あとがき
FERNANDESは間違いなく、90年代以降の日本の音楽文化を象徴するブランドの一つでした。その終焉は残念でなりませんが、製品そのものは今も人々の手元に残り、音を奏で続けています。
今後、ブランドの復活や再評価が進むことを期待しつつ、今あるFERNANDES製ギターの価値を再発見してみてはいかがでしょうか。