SKY-HIさんが代表取締役CEOを務める音楽プロダクション「BMSG」が、所属アーティストに関する“ディープフェイク”コンテンツの生成・公開・拡散が確認されたとして、公式に注意喚起を出しました。
生成AIの活用が一気に広がる中で、今回のように事務所が明確に「控えてほしい行為」を具体例つきで示すのは、ファン側も一度立ち止まって整理しておきたいポイントです。
この記事では、BMSGの発表内容をベースに、
「何が問題視されたのか」「どんな行為がNGなのか」「なぜ深刻なのか」を、分かりやすくまとめます。
まず「ディープフェイク」って何?
BMSGは今回の発表で、ディープフェイクを次のようなものとして説明しています。
- 所属アーティストのデータ(画像、動画、歌唱、音声など)を読み込ませる。
- 生成AIで作られたコンテンツ(=本人に見える/本人の声に聞こえる等)
つまり、本人がやっていないのに「本人っぽく見える・聞こえる」ものが作れてしまう、という性質が問題の中心です。
BMSGは「表現の可能性」も認めつつ、線引きを示した
今回の発表で特徴的なのは、BMSGがいきなり全面否定するのではなく、
- テクノロジーの進化がもたらす新しい表現の可能性は尊重している
- 生成AIコンテンツの生成自体は、表現の一形態だと認識している
としたうえで、所属アーティストのデータを読み込ませた生成物の公開・拡散については「深刻な懸念がある」と明確に述べています。
「深刻な懸念」とされた理由
BMSGが懸念として挙げたのは、主に次の方向性です。
1)権利侵害のおそれ
著作権・著作隣接権・肖像権・パブリシティ権・名誉権など、さまざまな権利や人格権を侵害する可能性がある、としています。
2)“事実”だと誤認され、誤解や混乱が起きる
公開・拡散されたコンテンツが本物のように扱われると、ファンや一般の人に誤解が広がりやすい、という指摘です。
3)トラブルや対立が起き、応援環境が壊れる
誤解が原因で対立が起きると、コミュニティの健全性が損なわれ、「安心して応援できる環境」自体が脅かされる可能性がある、としています。
4)本人の尊厳・アイデンティティに関わる
容姿・声・パフォーマンスは、本人が努力して築いた“財産”でありアイデンティティそのもの。
本人が意図しない生成物で、それが損なわれるおそれがある、という点も強く書かれていました。
「控えてほしい」とした具体的な行為
発表では、NG例がかなり具体的に整理されています。
(1)生成AIコンテンツ(ディープフェイク)の公開・拡散
SNSなどで公開・拡散することを控えてほしい例として、例えば:
- 実写に近い肖像(画像・動画)
- 一緒に撮影したように見えるツーショット写真
- 実際にパフォーマンスしたように見える歌唱・ダンス動画
- 話し声を再現し、本人が発言していない内容を生成する行為(ボイス・クローニング)
(2)所属アーティストの尊厳を傷つける生成AIコンテンツの生成
公序良俗に反する内容、政治的・宗教的メッセージなど、尊厳やアイデンティティを損なう表現も控えてほしい、としています。
事務所の今後の対応
BMSGは、権利と応援環境を守るために、
- プラットフォームへの削除申請
- 法的措置を含む然るべき対応
を行っている(行う)と明記しています。
また、不適切なコンテンツを見つけた際に、ファンが注意を促すことで早期削除につながるケースもある、と感謝の言葉も添えられていました。
ネット上の反応
報道が出た直後から、反応はだいたい次の方向に分かれている印象です
- 「線引きを明確にしてくれて助かる」という支持
- 「本物っぽく作れる時代だから怖い」という不安
- 「AI表現そのものは否定していない点が現実的」という評価
- 「肖像・声の扱いが軽くならないでほしい」という権利意識の高まり
今回の発表が、単なる“お願い”ではなく、権利・混乱・尊厳まで含めた問題として整理されていたことが、受け止め方に影響しているようです。
状況まとめ
- BMSGは2026年2月4日、所属アーティストに関するディープフェイクの生成・公開・拡散が確認されたとして注意喚起を発表。
- 生成AIの表現可能性は尊重しつつ、所属アーティストのデータを使った生成物の公開・拡散には深刻な懸念があると明言。
- 控えてほしい行為として、実写に近い肖像、ツーショット風画像、歌唱・ダンス風動画、ボイス・クローニングなどを具体例で提示。
- 悪質・不適切なコンテンツには、削除申請や法的措置などの対応を取るとしている。
出典・参考
- BMSG公式サイト「生成AIを利用したコンテンツの公開・拡散等に関するご留意事項について」
- ORICON NEWS(BMSG声明の報道)
- スポニチアネックス(注意喚起の報道)
- ITmedia AI+(経緯の報道)
